1/17(土)練習会で、印象に残った流れの話
1/17練習会の最終局、嶋vs溪戦で、序盤で形勢が決してしまったというケースがありました。
▼下図 先手・嶋(赤) 後手・溪(緑)11手めまで
11手めの着手が、試合後話題になったところです。
赤はミープルを右側に置いたのですが、ここは左側に置くべきでは無かったのか、と。
四辺都市が7手めですでに出ているので、10の左側が四辺都市待ちになって置けなくなる可能性を見てこの着手になったのですが……。
実戦ではこうなりました。
▼18手めまで(1/19 23:54画像差し替えました)
12手めで仕掛けた緑が、するすると都市を繋げて、さらに閉じて都市24点+道6点を得て大量得点。赤はこれ以降差を取り返すために強引な着手となり、緑がそこに付込んで逃げ切った、という流れでした。
ハイリスク・ハイリターンのギャンブル手に緑が成功したパターンです。
たしかに緑がすんなりと三辺都市を引けず、実戦の14手めの場所で破壊が成立して置けなくなったら、これは赤が有利な流れになります。
とはいえ11手めで赤が左側のリップ片にミープルを置いておけば、少なくとも大都市成立は免れた可能性が高かったでしょう。
実戦のように緑が道付き2辺都市を引けば14の位置に置かれますが、18の位置で狭い形に追い込んで相手の駒を道と合わせて2個殺しに持ち込めるチャンスはまだ残ります。都市も同点ならまだマシです。
その意味では、11手めの赤の着手は、赤にとっても事実上のハイリスク・ハイリターンなギャンブル手だった、と言えるのではないでしょうか。
確率的に見ると、「緑の引きがかなり良かった」から実戦のような結果になったわけです。逆に緑が大損する確率も相当高いでしょう。
とはいえ、「引きに頼らない打ち方」を模索するなら、「そもそも相手の引きが良くても大事にならないようにしておく」打ち方にすべきで、その意味では11手めは左側に置くべきではないでしょうか。
ちなみにこの局面、「そもそも9手めがややこしい状況を引き起こす原因では?」という考え方もできます。
たとえば9手めを3手目の上に置くという手もあります。
……が、これはこれでリスキーな面もあるので、難しいところだなあ、と思うわけです。
みなさんはどう考えますか……?
(たに)
※記事中の画像は、カルカソンヌ研究所さんの盤面エディターを使用しました。ありがとうございます!